リバウンドしてしまう仕組み

基礎知識

この記事を読んでくださっている方のほとんどは、ダイエットに失敗してリバウンドを経験したことがあるでしょう。

何が原因でリバウンドしてしまったのか理由は色々あると思いますが、今回は体の仕組みや生理現象を基にして解説していこうと思います。

分かりやすく例を挙げてみます。


160㎝で65kgの女性が10kg痩せようと思ってダイエットを開始しました。

この女性の基礎代謝は1200kcalです。

とにかく早く痩せたくて、少しキツイなと感じながらも食事制限と運動を二ヶ月頑張ったとします。

食事制限をして一日当たり500kcal減らして摂取カロリーを1500kcalにして、毎日ジョギングもして運動のみで300kcal消費するという生活を二ヶ月間続けました。

ここに日常生活をする際に消費するカロリーや食事の際に内臓で消費するカロリーを合わせて、ジョギングを含めた活動代謝が800kcalだったとします。


そうすると基礎代謝と活動代謝を合わせた消費カロリーが1200kcal+800kcalで、一日2000kcalですよね。

摂取カロリーは食事制限をして1500kcalなので、その収支の差は一日当たりマイナス500kcalということになります。

これを二ヶ月間続けたわけですから、二ヶ月で500kcal×60=30000kcalのカロリーを消費できたことになります。


脂肪1kg減らすためには、消費カロリーと摂取カロリーの収支の差で約7200kcalマイナスにする必要があるので、30000kcal÷7200=4.16666…となるので、計算上は二ヶ月間で脂肪が4.16kg減ったことになります。


これはあくまで(減った)脂肪のみの数字ですから、老廃物等も出ていったと仮定すると体重は約5kg減っていておかしくないはずです。

65kgから60kgになっていなければ辻褄が合わないことになります。

ところが二ヶ月間あれだけの努力をしたのに体重は63kgで、2kgしか減っていませんでした。

二ヶ月間の運動の疲れと食事制限によるストレス、そして期待していたよりも減っていない体重を目の当たりにして一旦ダイエットを休んで数日間暴飲暴食してしまい、あっという間に65kgまで戻ってしまいました。

一旦ダイエットを休んで暴飲暴食してしまい…というところは、人によっては暴飲暴食せずにさらに厳しい食事制限と運動を頑張るという方もいるかもしれません。

が、遅かれ早かれ運動と食事制限がきつすぎるのでダイエットを止めてすぐに元通りの体重になることは目に見えていますよね。

こうなってしまった主な原因は、やはりペースがきつすぎるということに尽きると思います。

一日に収支の差がマイナス500kcalでは長くは続きませんし、疲れやストレス、そしてホメオスタシスが強烈に働いて、目標体重まで減らせたとしてもあっという間に元に戻ってしまいます。

さてこのリバウンドしてしまう時に体でどういうことが起こっていたのでしょう?

基礎代謝を減らす

上記の例のように、消費カロリーよりも摂取カロリーの方が大幅に少なくなった時に我々人間は無意識的に生命の危機だと感じるようになっています。

食べ物(摂取カロリー)があまり入ってこないわけですから当然といえば当然のことですよね。

食べ物があまり体に入ってこずに【生命の危機だ】と感じた時に体ではどういうことが起こるかというと、消費カロリーと摂取カロリーの収支の差がなるべく少なくなるように努力します。

ここで摂取カロリーが増えるとその差は少なくなるのですが、その反応を無視して食事制限をしているわけですから当然それはできません。

そうなると残された道はただ一つ。

基礎代謝を削って収支の差を少なくしようとするのです。

もう少し分かりやすく説明しますね。

上記の例ですと、ダイエット開始当初は

1200kcal(本来の基礎代謝) + 800kcal(活動代謝) > 1500kcal(摂取カロリー)


ということが体の中で成り立っていました。

しかし、このマイナス500kcalという状態がしばらく続いていることに生命の危機を感じた体は仕方なく、他に選択する余地もなく基礎代謝を削ることになります。

700kcal(削った基礎代謝) + 800kcal(活動代謝)  1500kcal(摂取カロリー)


こういうことが実際に起こってしまいます。

一日の消費カロリーと摂取カロリーの差が、ゼロになってしまってはいくら頑張っても思うように体重が減っていかない状態なのもうなずけますよね。


今回は分かりやすくするために消費カロリーと摂取カロリーを同じ値にしましたが、さらに基礎代謝が削られてしまい、食事制限や運動に励んでいるのに摂取カロリーの方が多くなるなんて事態にもなり得ます。

さらに言うならば食事を極端に制限した状態では、運動を頑張っても活動代謝カロリはそれほど増えません。

摂取カロリーが思うように入ってこないわけですから、生命維持のためになるべくカロリーを消費しないような体になるわけです。

体が省エネモードに入ってしまうわけですね。

生命の危機を感じるわけですから、体にとっては省エネどころではない問題が発生してしまっているわけです。

このような状態ですと体重が減ったとしても、まずは筋肉が削られてしまいます。

そしてさらに基礎代謝が下がるという悪循環が起こるわけです。

体が飢餓状態に

上記の例のような、消費カロリーよりも摂取カロリーが極端に少ない生活が続いていると、体は基礎代謝を削るだけではなくて、食べ物が体に入ってきたらそれを溜め込もうする働きが強くなります。

よく考えたら当然のことですよね。

体からしたら次にいつ食べ物(栄養)が入ってくるか分からないわけですから、とりあえず今回入ってきた食べ物(栄養)は飢餓に備えて体に蓄えておこうとなるわけです。


このいわゆる基礎代謝が下がりに下がった状態で、かつ【飢餓モード】に入ると活動代謝も運動していても全く上がりません。

摂取カロリーを制限していても太っていくような状態になっています。


こういう最悪の状態で何が起こるかというと、先ほど例に挙げた暴飲暴食したいという欲求が高まっていきます。

何しろ長らく生命の危機を感じているですから意志では抑えられないような状態になって、一度食べだしたら止まらなくなります。

そして【飢餓モード】で栄養をなるべく溜め込もうとしている状態での暴飲暴食ですから、(減りに減った基礎代謝と活動代謝による)消費カロリーを超えた分は、全てと言っていいほど脂肪として蓄えられてしまうのです。


リバウンドするということは体でこういうことが起こっているんです。

心や体に対して、きついことをすればするほどこのリバウンドするエネルギーというのは爆発します。

消費カロリーが極端に下がっているわけですから、収支の差がプラスになる分も大きいということです。


これでも皆さんは一ヶ月に5kg減とかそれ以上を目指しますか?

もう一度よく考えて、心と体に無理のないペースでゆっくりゆっくりダイエットしていきませんか。

コメント

タイトルとURLをコピーしました