糖質制限の落とし穴

基礎知識

ダイエットをしたことがある方の中には、糖質(ご飯などの炭水化物)を制限してできるだけ食べないようなダイエットをしたことがある方もおおいのではないでしょうか。

私もその一人です。

糖質制限をすると確かに体重がすぐに落ちますが、糖質を制限するのはおすすめしません。

今回はその理由を解説していきます。

糖質を制限するとなぜ体重が落ちやすいのか

糖質を制限するダイエットを経験したことがある方ならお分かりいただけるかと思いますが、糖質を制限すると体重がかなり早いペースで落ちます。

私が提案している体重減のペースは一ヶ月に1kgですが、糖質を制限すると1kgはほんの数日で落ちます。

一日で落とすことも可能です。

これが一見するとメリットに感じるというか、すぐに体重が落ちることが嬉しくなってしまうんですね。

目に見えてあっという間に体重が落ちていくわけですから、快感すら覚えるほどです。

私も糖質を極力摂らないダイエットをしたことが何度もありましたが、糖質を摂らない状態でジョギング等の運動をすると、走る前と走った後に体重を計ると1kg以上減ることも珍しくありませんでした。

これが快感となって、毎日落ちていく体重を見るのが楽しみになっていくんです。

ところが突然体重が落ちなくなる日がきます。

本当にピクリとも減らなくなって、どうして減らないのか焦ってさらに過度な糖質制限と運動を行い、体調を崩すことになってしまいました。

こうなると少し食べただけでも体重が増え、食べる量はほんのわずかなのにもかかわらずすぐに元の体重に戻ってしまいます。

なぜこうしたことが起こるのでしょうか。


白米などの糖質を制限するとインスリンの分泌が少なくなり、水分や老廃物が排出され、むくみが解消されることがあります。

少し難しい話になってしまいましたが、要するに糖質制限をすると体の水分が出ていくんです。

一日などの短期間でしたら体の余分な水分や老廃物が排出されるので問題ありませんが、糖質を制限した状態が長く続くとどんどん水分が出ていってしまいます。

肝臓や筋肉などに糖質とともに水分を多く蓄えていることもあり、人間の体は約60%が水分で構成されています。

さらに白米を例に挙げますと、炊きあがった白米の約6割が水分です。

人間にとって糖質と水分は非常に重要な要素であることが分かりますよね。

この2つを制限してしまうわけですから、落ちたのは主に水分と筋肉量ということになってしまいます。

過度な糖質制限をしてダイエットしてしまうということは、濡れたスポンジをカラカラになるまで絞るのをイメージすると分かりやすいかもしれません。

カラカラになったスポンジに水をかけるとあっという間に水分を含んで重くなりますよね。

それと同じようなことが人間の体にも起こると考えれば伝わるでしょうか。

体に起こる反応

糖質制限をすると、どのような症状が出るかご紹介します。

  • 体が軽くなるが、軽すぎて力が入らない
  • フラフラする
  • 低血糖によりボーッととする
  • 集中力が無くなる
  • 便秘になる
  • 塩分・脂質・たんぱく質過多に陥りやすい
  • 寝つきや寝起きが悪くなる
  • 抜け毛が増える
  • 寒い
  • 次の食事で何を食べるかなど、常に食べ物のことを考えている
  • 食後にもかかわらず甘いものが食べたくなる
  • 疲れが取れない
  • ちょっとしたことでイライラする
  • 機敏な動きや力が必要な作業がしづらくなる
  • 日常生活に支障をきたす


私が経験した症状は主にこのような感じです。

何をするにも体に力が入らずに日常生活における行動の一つ一つが億劫で面倒に感じます。

確かに体重が減って体は軽くなるのですが、なんというかエネルギーが湧いてこないような状態です。

加えて少し飲んで食べただけでも体重が面白いように増えるので、そのことにおびえて毎日を過ごすといった、精神的に不安定な状況に陥ります。

脳が働く上でも非常に大切な栄養素である糖質を摂ってないので、正常な状態ではありえない思考回路になることもままあります。


メリットと呼べるようなことは思い当たりません。

体重が減って体が軽くなることが唯一のメリットと言えばメリットなのでしょうが、それさえも本当に一瞬で元通りになってしまいます。

糖質が十分に摂取できていないと、筋肉も減ってしまうので綺麗に痩せられません。

体の至るところのサイズは減りますが、脂肪があまり減っていない体といえば分かりやすいでしょうか。


もう一つ思い当たることとしては、食費がかさみます。

糖質を食べない分、たんぱく質や脂質で栄養(カロリー)を補うわけですから結構な量を食べないとお腹が空きすぎて持たないからです。

糖質制限をして散々な思いをしてきた方、これからダイエットをしようとしている方も過度な糖質制限はダイエットを通り越して体調を崩すことにもなりかねません。

止めておきましょう。

それでは具体的にどれくらいの糖質を摂ればいいのかといいますと、それは別記事に詳しくまとめますので参考になさってください。

この普段はおすすめしない糖質制限ですが、ある方々には有効になることもあります。

それは(目安ですが)15kg以上の大幅な減量が必要な方々です。

大幅な減量が必要な方々は、少し厳しい表現をするなら【治療レベル】の対処法が必要になってきます。

糖質をガンガン摂って痩せる、いわゆる正攻法が効果的なのは~15kgくらいまでのダイエットを目標とする方々です。

大幅な減量が必要な方々は、糖質制限でも構いませんのでまずそこ(15kg減で適正体重)を目指しましょう。

もちろん体の状態を見ながらですが。

これもまた別記事にまとめますね。

~15kg減くらいが目標の方々は、怖がらず糖質を摂って綺麗に効率よく痩せていきましょう。

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